最近「築浅」という言葉を耳にしませんか? 新築とは違って、中古ほど古くもない、新しい物件のタイプの呼び名です。築浅を説明する上で、まずは新築物件の2つの定義を説明します。
建築後1年未満の物件
誰も入居したことがない物件
この2つに適合している物件だけが「新築」ということになります。
すると、入居してすぐに借主が出た1年以内の物件や入居者がまだ決まっていない築1年半ぐらいの物件は、どちらも新築ではないということになります。「中古」になってしまうのです。
しかしこれらの物件と、築30年も経った物件を同じ「中古」とまとめてしまうのは、若干乱暴な気がします。
そこで生まれた言葉が「築浅」。築3?5年以内の物件を指すことが多いようです。比較的新しく設備も充実している築浅物件について、その良さとデメリットを解説します。
築浅物件のメリット
内装も外装もきれいなまま
綺麗なままの状態で残された物件が多いのが大きな特徴です。新築と比べると新しさでは負けますが、大きく劣るものではありません。また住宅でも既存物件と差別化を図るための現代的な外装に魅力を感じられるはずです。同様のきれいさで新築よりもリーズナブルな物件価格で。清潔さを求められるお客様におすすめできます。
現代人のニーズに合った設備・仕様
築年数が短いと、それに伴って現代的な設備・仕様が多くみられます。
- マンションの入り口の豪華さ
- 広めの占有面積
- システムキッチン
- バストイレ別
- ウォークインクローゼット
- 室内洗濯機置き場
- 温水洗浄機付便座
など、極めて先進的なものが付属しています。
オートロック、防犯カメラ、モニター付きインターフォンなど、防犯設備が整っている物件が多いのも特徴でしょう。
住宅では断熱、防音の効果を強めていたり、無垢材を取り入れてシックハウス対策を行っていたり、さまざまな工夫が見られる物件もあります。
中古と価格・家賃があまり変わらないものも
築浅物件は「価格が高い」「家賃が高い」というイメージが強いはず。実は通常の中古物件と価格や家賃と差がない場合も多く、フリーレント、礼金なしなどの物件もあります。古い物件よりも割安で購入・入居を目指すために、「築浅」というキーワードは頭に留めておいてよさそうです。物件の内装や設備の豊富さなどから高めの金額設定をしている物件もありますが、絶対に割高だということはありません。
築浅物件のデメリット
購入時・購入後の税額
物件を購入する場合には不動産取得税のほか、毎年発生する固定資産税・都市計画税などがかかってきます。課税の基準は物件の価値。購入価格が高くなりがちな築浅物件は、相対的にこれらの評価も高くなり、税額が割高になります。
ある程度の節税テクニックもありますので、不動産会社とよく相談のうえ、税額の高さに負けずに、新築ではない築浅のメリットをたっぷり享受できる形で、購入に臨んでください。
修繕積立金が高い場合がある
修繕積立金は、主に共有部分の修繕のために毎月積み立てられる費用のことで、中古物件より高く設定されている場合がよくみられます。内装や外装のきれいさを維持するため、最新設備の使い勝手の良さを保つために、割高になるパターンもあります。
これらは購入後、入居後にわかるケースも多く、あらかじめ契約書類などをしっかり確認することが必要です。