一言で中古マンションといっても、その中身は千差万別です。
購入時に考えなければいけないポイントを大きく 5 つ、まとめました。
POINT.1 マンション自体 古い? or 新しい?
物件価格が古ければ古いほど安くて、新しければ新しいほど高い…。
単純に思われがちですが、実は少々、話が複雑です。
確かに新築物件は、 1 年誰かが住んだだけで、値段が相当下がります。
そこには「新築」という価値がなくなっているからです。
しかし築 15 年を超えるぐらいになると、一定額以上価格が下がらず、さらには周囲の環境の変化(新駅ができた、工場・学校が新設されたなど)で、逆に値上がりするケースもあります。
そして、同じ築年数でも、リノベーションされてトイレなどの水回りがキレイになっているようなマンションは価値が下がりづらいですし、汚い部屋の使い方、ペットの匂いなどで資産価値を大幅に下げている物件もあります。
実際に物件を自分の目で見て、確かめることができるというのが、
新築にはない中古マンション購入の大きなメリットです。
広告紙面、インターネットの物件情報では読めない、物件自体の良さ、悪さを見極め、
信頼できる不動産会社に紹介してもらうのが適策です。
POINT.2 ライフスタイルに 合っている? or 合っていない?
手頃な物件が見つかったからすぐに買う…。
ちょっと待ってください、本当に価格だけで決めていいのですか?
一番大切なのは、その物件があなたにとって本当に適したものなのかを、想像力豊かに考えることです。広すぎないか、狭すぎないか、間取りはそれでいいのか、家族構成に適合しているか、通勤・通学に無理はないか、家で行う趣味・副業などに適した状況か、などなど、考える要件は無数にあります。
実際の物件を考える前に、具体的に考慮すべき点を並べると、
こんな感じに次から次へと出てくるはずです。
- 入居人数・構成
- 入居者の年齢
- 通勤・通学の利便性
- 病院や銀行への遠近
- 生活状況(料理、入浴、睡眠、洗濯、装飾・インテリアのこだわりなど)
- 親御さんのケアの必要性
- お子さんの通学状況
- ペットの有無…
そして、評価価格が高い物件には高い理由があり、安い物件にはなんらかの問題がある。その見極めは非常に難しく、短時間で判断できるものではありません。
あなたにとってその物件が本当に正しい選択なのか、あなたの立場に立って考えるよいアドバイザー、不動産会社を選ぶことが、判断の近道になるかもしれません。
POINT.3 周りの環境は 住みやすい? or あまりよくない?
きれいなマンションだから、間違いないだろう…。
購入してから住居環境の問題点が見つかっても、後の祭りです。
中古マンションの周囲の環境については、駅や学校からの距離、商店街やスーパーへの遠近、病院や銀行などの利便性、騒音の発生源になりそうな事業所・施設などは、比較的簡単にわかります。しかし、実際に住むとなるともっと細かい部分が問題となり、地域との密着度、防犯、防災、意外な騒音など、住んでみてから初めてわかる事実もでてくることでしょう。
物件の地域が新興住宅地なのか、古くからの街なのか。比較的若い住民が多いのか、年配の住民が多い地域なのか。地域行事や祭りなど、住民の新密度が強いのか、弱いのか。地盤が固い場所なのか、もろい場所なのか。災害や犯罪が発生しやすい要素はあるのか、ないのか。これらのことを簡単に把握できたら、あなたは探偵業ができるでしょう。それほど住居環境の細かい部分の調査が難しいことを理解してください。
かといって、それを無視してマンションの購入に踏み切るわけにはいきません。そのリスクを減らすうえでも、地元に密着し、地域の状況に明るい業者のアドバイスにきちんと耳を傾けることが必要です。新築マンションと違って、中古マンションの場合、環境にまつわる状況はすでにわかっていることですので、確実に伝えてもらえるはずです。
POINT.4 管理会社・セキュリティは しっかり? or いまいち?
大きなマンションで、カギさえしっかりしていれば問題なし…。
管理や防犯は、玄関周りだけの問題ではありません。
2017 年 3 月に北海道・札幌の築 45 年のマンションで、コンクリート製のひさしが 30 mにわたって崩落するという事故が起きました。パッと見たところで良さそうなマンションでも、実は内部が痛んでいたり、構造上に不具合が発生したりと危険な状態になっているものがないとは言えません。
言うまでもなくマンションは「集合住宅」です。物件の部屋そのものは良くても、外壁が崩れる、階段の手すりが壊れるなど、マンション全体で不都合が発生しているかもしれません。その場合管理会社、あるいは管理組合の善し悪しが、マンションの寿命を左右していると言っても過言ではありません。修繕費の積立制度を実施しているマンションも多いですが、その修繕費の運用も管理サイドの力量でマンションの運命を左右するでしょう。
また建築から長期間経ったマンションでは、全体の入口に扉のオートロックやインターフォンがない、防犯カメラの形式が古いなど、どうしても新しいマンションよりもセキュリティが甘くなる傾向にあります。マンション全体で防犯体制がきちんと整備されているのか、あるいは防犯に向けてきちんと警備会社と契約できているのか、確認する必要があるでしょう。
管理やセキュリティが確実に実行されている物件は値段にも反映するでしょうし、逆に価格が安い物件については管理面でのフォローが甘い可能性が大いにあります。
命にもかかわる部分について、信頼できる仲介業者からきちんと聞きとり、あとあと後悔しないように考えておく必要が、購入前にありそうです。
POINT.5 購入・資産価値について 問題ない? or 背伸びしている?
給料は少ないけど、ローンで借りればなんとかなるだろう…。
あいまいな気持ちで決めずに、将来設計をしっかり考えましょう。
中古マンションの購入資金は、どのくらい必要なのでしょうか。
単純にマンションの価格ではありません。諸経費には、初めての方には想像も付かないくらい色々なものがあります。購入時にすぐに払わなくてもいいものもありますが、物件価格とは別に用意しなければいけない費用は意外に多いのです。
それでは物件価格以外に諸経費はどのくらいと考えておけばよいでしょうか。
中古マンションの物件価格の「5?8%」と、よく言われます。さらに引っ越しやリフォームなどの費用も考えて「物件価格の10%を準備せよ!」という専門家もいます。
これらを考えると、当然安い買い物というわけにはいきませんね。築年数、広さ、既存の機械・設備などによる評価で、かなり物件価格は上下します。果たしてその物件が、あなたにふさわしい物件なのか。そのマンションに一生住めるのか。あるいは上手に転売できるのか…。
なかなか素人判断だけで、自分、あるいは自分の家族にとって適正価格なのかどうか、決めるのは難しいでしょう。
自己資金はどのくらいあり、ローンは何年でいくら可能なのか。
専門のアドバイザーが在籍する不動産会社に相談して、あなたのマンション購入に貴重なアドバイスをもらうことをおすすめします。
中古マンション購入時の諸経費の一例
- 印紙税
- 消費税
- 仲介手数料
- ローン事務手数料・ローン保証料
- 登記手数料
- 登録免許税(建物、土地、抵当権など)
- 不動産取得税
- 固定資産税